溶暗

眠りに落ちてゆく前の 暗闇の中で思う 僕は一体何者かと
答えの無い苛立ちを 抱きしめたまま浅く

意識は沈んでいく

眠りにつく少し前の 暗闇の中で思う 俺はいったい何者かと
やるせない歯がゆさだとか ぎりぎり締め付けられる心

押さえる抑えるように目を閉じる

手が届く範囲の 物ばかり集めて 出来た空虚な象徴シンボル
誰もが諦められずに 平和をずっと願ってる

いつまでも幸せにと

どこまで行けば気が済むか 分からぬまま歩き続け 道を見失っても
砂漠のようなこの街で からからに渇いたききったノドを

いやすためにコインを投げる

ただの強がりだと 言われて笑われて
堅実に生きなさいと 諭されて

やっぱり思い上がったやつほど ひどく痛い目を見るもんだなと
握りこぶしを地面に叩き付けて 吠えても

まぶたを閉じて

まぶたの裏にある光 ぼんやりと灯ったそれが 何なのか知りたくていよ
朧げに揺らぐ記憶 それとも叶うこと無い夢かと

半分  眠ったままで

まぶたを閉じたまま

眠りへと 落ちていく暗闇に 溶け落ちる

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