赤い怒り

怒りにまかせてペンを走らせたら どうなるか知っている
それは罵倒に満ちた すさんだ文章で 悲しい

怒りをうまく表現できるような 器用な人は
どうやって怒りを静めているんだろう

マグマの噴出を眺め、潮の満ち干を感じ始める頃。
それは急に冷えて固まる、そして。
後悔の波が押し寄せた。

意味を無くしたそれを 冷淡な目で見ると
自分で自分に皮肉を言いたくなる
感情の馬鹿馬鹿しさに可笑しくなる
許せなくなる
その心と怒りの核を自覚できれば
怒りなんて忘れることができるのだろうか

怒りは何かを生み出す爆発──しかし
その光は一瞬にして消えて──

僕は笑っていた。

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